ブレイド2

前作ブレイドの続編であり、ストーリー的にもその後のブレイドの戦いを描いたものになっています。今回注目となるのは、新たな敵となる「リーパーズ」を倒すために、ブレイドがヴァンパイア一族と一時的に手を組むということです。“昨日の敵は今日の友！？”となるかどうかが微妙な部分でもあり、ある種“ブレイド”“ヴァンパイア一族”“リーパーズ”という三種参様の思惑が絡み合うのが見どころでしょう。

確かに前作の続編となってはいるのですが、前作の最後に生き残った女性が今回は登場せず、さらには前作で死んだと思われていた相棒のウィスラー（クリス・クリストファーソン）が実は生きていて、彼を探しているという所から物語がスタートするなど、若干前作とのつながりに強引さを感じます。しかし、アクションやビジュアル・エフェクトを中心にかなりパワーアップしており、お金のかけ方も前作を遥かに超えるものになっているようです。特に小道具や衣装のこだわり具合が心地よく、ある種無駄とも言えるほどの労力が注ぎ込まれている感すらあります（笑）。

新しい敵となるリーパーズを倒すために、ブレイドとヴァンパイアが一時的に手を組むことになりますが、そこにはスパイの存在やそれぞれの思惑、さらにはリーパーズの真の正体など、様々な要因が多少の複雑さを帯び絡み合います。が、しかし。実際にはそういった伏線を含むストーリーは大して重要ではなく、やはりぶっ飛んだアクションをいかに効果的に演出しきれるかという部分こそが“ブレイド”の是非ではないでしょうか。

今回はそこそこ物語に柱が出来てしまっているだけに中途半端さが生まれ、結果的に欲張りな内容になっているともとれます。とは言え、数段パワーアップしたSFX & VFXに加え、アクションシーンの殺陣を指揮したドニー・イェン（映画にも出演している）の存在など、見せ場が盛りだくさんなのもまた事実です。結局は内容に関係なく、「好き」か「嫌い」かという嗜好性に集約されてしまうような気がしないでもないのですが、良い意味でアメコミっぽくない独自のスタイルを貫く“スナイプス節”が受け入れられれば、素直に楽しめる作品になっていると思います。

あ、そうそう。映画の内容とは直接関係ありませんが、どうもヴァンパイアのRIENHARDT役を演じるロン・パールマンが、初代PRIDEミドル級チャンピオンのヴァンダレイ・シウバに見えて仕方が無いんですよね…（笑）。
（2003/05）

監督：
脚本：
製作：


撮影監督：
プロダクション・デザイン：
クリーチャー・デザイン：
VFXスーパーバイザー：
SFXスーパーバイザー：
音楽：

出演：

ギレルモ・デル・トロ
デビッド・S・ゴイヤー
ピーター・フランクフルト
パトリック・パルマー
ウェズリー・スナイプス
ガブリエル・ベリスタイン
キャロル・スピアー
スティーブ・ジョンソン
ニコラス・フルックス
ニック・アルダー
マルコ・ベルトラミ

ウェズリー・スナイプス
クリス・クリストファーソン
レオノア・ヴァレラ
ルーク・ゴス
ノーマン・リーダス
ロン・パールマン
ドニー・イェン
マット・シュルツ
トーマス・クレッチマン
ダズ・クロウフォード
マリット・ヴェル・カイル