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スナッチ

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」で長編初監督デビューとなったガイ・リッチー監督の第二作目の作品です。処女作で世界的に評価され一躍有名映画監督の仲間入りを果たしましたが、私生活でもマドンナと結婚するなど話題に事欠きません。ガイ・リッチーと言えば、個人的にはオムニバス形式のショートフィルム“The Hire”の中の1作“Star”を撮ったことの方が印象深く(※1)、共通して音楽、映像、ストーリー、そのすべてにおいてのパッケージング力の高さが目を見張ります。

日本ではブラッド・ピットが出演するということもあって注目されたと思いますが、格安の出演料だったことや特別の待遇を望まなかったことを考えると、いかにガイ・リッチー作品の魅力が幅広く理解されているかがわかります。単純にブラッド・ピット出演作として注目するのではなく、もう少し日本でもガイ・リッチー監督そのものにスポットを当ててもいいのではないでしょうか。

冒頭から数多くの登場人物が登場し、ダイヤモンドというキーオブジェクトを中心に複数のストーリーが交錯します。このあたりの展開はタランティーノ的とも言えますが、そう感じさせるだけでは終わらせない練り込まれたストーリーと、作品全体を視野に入れた作り込み、そして監督自身の音楽+映像+笑いのセンスがうまく構成されているからこそ、ガイ・リッチー作品という1つのアイデンティティが確立されているのだと思います。こういった根幹部分は“The Hire”シリーズの“Starでも同様のものを見せているので、やはりガイ・リッチーという人間の持つ魅力と映像に注ぐ努力を痛感させられます。

最初は出演者の多さで互いの関係性を理解するのに多少の戸惑いがあるかも知れませんが、実際にはそれほど複雑ではなく、順序を追って登場人物が各自の役割を披露していくので、変に構えなければ自然にストーリーが頭の中で構築されていくと思います。映像的には冒頭の出演者紹介と、組織のドンの「アメリカ<>イギリス(だったかな?)移動」シーンが格好良くもあり面白くもありますが、作品全般に渡ってこれ程のダークな世界観を構築しているのにも関わらず、実際にはそれほど重くなり過ぎず普通に見せてしまう部分こそが一番凄いポイントなのかも知れません。

個人的には“笑い(オチ)”が一番ベースにあり、そこに向かってすべての要素(映像、音楽、ストーリー)が集約されていく手法こそが“ガイ・リッチー的”と言える気がするので、オチで笑えさえすればそれですべてよしという潔い気持ちにすらさせられます。万人向けな雰囲気ではないにもかかわらず、実際には万人が楽しめる作品になっている。つまり、作品を観る前と観終わった後ではかなり印象が異なるわけで、嗜好がまったく異なる人同士でも楽しめる単純明解なオチが用意されているからこそ、逆に絡み合う展開や交差するストーリーが素直に楽しめるのではないでしょうか。

結論として“頭で考えすぎるより肌で素直に感じる方がより楽しめる”作品だと思うので、ある意味漫才やコントを見るような気分で捉えてみても面白いかも?
(2003/06)

※1
The HireシリーズはBMW Filmsのサイトで観る事が出来ます
本文:ボブ爺

監督・脚本:
製作総指揮:


製作:
撮影:
音楽:

出演:

ガイ・リッチー
スティーブン・マークス
ピーター・モートン
アンガッド・ポール
マシュー・ボーン
ティム・モーリス・ジョーンズ
ジョン・マーフィ

ベニチオ・デル・トロ
デニス・ファリーナ
ビニー・ジョーンズ
ブラッド・ピット
レード・セルベッジア
ジェイソン・ステイサム

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