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ヴィドック

フランスでは3人に1人が劇場に足を運んだと言われる超大作です。映画のタイトルにもなっている“ヴィドック”とは、19世紀に実在されたと言われる人物の名で、顔見知りの囚人の釈放命令書を偽造したという無実の罪で投獄されてしまいますが、その後は幾度となく脱獄を繰り返します。その後、その度量を買われて警察の密偵となり、後に世界初の私立探偵事務所を設立することになります。フランスではヴィドックについての映像化や小説など、実物を遥かに超える像として様々に描かれ、現在では誰もが知っている伝説のヒーローとなっているようです。

デリカテッセン、ロスト・チルドレン、エイリアン4、ジャンヌ・ダルク等でビジュアル・エフェクトを手がけてきた“ピトフ”による初の長編監督作品ということや、ジョージ・ルーカスがエピソード2でも使用したことで話題となった24pHDカメラを世界で初めて使用したことなど、映像に関する独自の表現においては目を見張るものがあり、映像美で迫るアート的側面が強い印象があります。このあたりはザ・セル(※1)と共通する部分もありますが、後発なだけあって全体的な“キレ”はかなり上回っています。

個人的な嗜好が強く出そうな内容なので、ストーリーに対してはあまり深く突っ込まない方が良いのかも知れません。となると、やはり印象に残るのは世界観と映像美でしょうか。そんな中でも一番気になるのが“オヤジ度”です。やたらオヤジの顔のアップが多く(特に目)、薄汚れ汗にまみれた働く職人から、若さとハリのある肌に固執する金持ちのオヤジまで、幅広くかつネットリと超ドアップを繰り出してきます。冷静に考えれば、“ザ・ビーチ”でディカプリオと共演したギヨーム・カネ以外は全員オヤジのような気も…(苦笑)

予告編などから受ける印象だと、どうしてもメジャーなものとはかけ離れたもののように感じましたが、ふたを開けてみれば結構普通でそれなりに楽しめます。ある意味“フランス版火曜サスペンス劇場”といったところでしょうか。これ系が好きな人なら意外とハマるかも?
(2003/06)

※1
ジェニファー・ロペスが主演の“羊達の沈黙的”サスペンス映画。殺人鬼の意識にダイブするという設定を作ってしまうことで、斬新かつ“何でもあり”な映像を正当化することに成功(?)した作品。ジェニファー・ロペスの美しさにも脱帽
本文:ボブ爺

監督:
脚本:

美術:
キャラクター・デザイン:
衣装:
音楽:
撮影:

出演:

ピトフ
ピトフ
ジャン=クリストフ・グランジェ
ジャン・ラバス
マルク・キャロ
カリーヌ・サルファティ
ブリュノ・クレ
ジャン・ピエール・ソベール
ジャン・クロード・ティボー

ジェラール・ドパルデュー
ギヨーム・カネ
イネス・サストレ
アンドレ・デュソリエ
ムサ・マースクリ
エディット・スコブ
ジャン=ピエール・ゴズ
イザベル・ルノー
ジル・アルボナ

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