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モンテ・クリスト―厳窟王ー

主人公のエドモン・ダンテスが、友と信じたフェルナン・モンデーゴに裏切られ、13年もの間イフ城に幽閉される。しかしその後脱獄し、秘密の財宝を手に入れ「モンテ・クリスト伯爵」として生まれ変わり、自分を陥れた人達への復讐に動き出す…。

アレクサンドル・デュマ原作の同名作品を映画化したものなので、物語としては既に多くの人が知っていると思います。よって、作品自体の基本路線としてはまさに王道と言えるものになっています。上映時間は2時間以上もあるのですが、物語の進むテンポが小気味良く、なれ親しんだストーリーでありながらもどんどんその世界観に引き込まれていきます。

全てを忘れることが出来ず、復讐に生きることを選んだ主人公を、ルイス・ガスマン演じるヤコポが正しき道へ引き戻そうとし、最終的にはダンテスも自らと向き合い過去を乗り越えようとします。物語の中心となるべき復讐劇と同等の比重がこの部分の描写に置かれていることを考えると、辛い過去に縛られた現実から脱却するには、自らの意志で未来にある自由を掴み撮る意志こそが必要だという、より建設的な方向への訴えかけが込められていると言えます。ファリア司祭の「神を信じなくとも、神はあなたを信じています」という言葉が脳裏を過ります…。

当初は困惑ぎみでしたが、時間が経つにつれてガイ・ピアース(※1)の悪役ぶりにも妙に納得され(さすがはガイ・ピアース)、最終的には彼の小憎たらしい笑みに魅力すら感じる程です。とはいえ、エドモン・ダンテス演じるジム・カヴィーゼルの存在感もなかなかのもので、特にモンテ・クリストとなった時のオーラには多様の雰囲気と説得力を持ち合わせています(髭一つでこれほど変貌するとは…)。

改めて考えてみると全体的に軽い急ぎ足で話が進むように感じ、多少の物足りなさが残るのもまた事実なのですが(特に復讐計画の部分)、そのかわりにバランスの良い力配分が好印象なので、素直に物語を楽しめる完成度の高い映画作品と言えるかも知れません。
(2003/12)

※1
同時期に大々的に公開されたガイ・ピアース主役の「タイムマシン」より、主役ではないが今作の方が映画としては楽しめるような気がするので、個人的にはタイムマシンよりもモンテ・クリストの方をもっと大々的に公開して欲しかったと思うのですが…
本文:ボブ爺

監督:
原作:
製作総指揮:
製作:


脚本:
撮影:
編集:

音楽:

出演:

ケヴィン・レイノルズ
アレクサンドル・デュマ
クリス・ブリガム
ゲイリー・バーバー
ロジャー・バーンバウム
ジョナサン・グリックマン
ジェイ・ウォルパート
アンドリュー・ダン
スティーヴン・セメル
クリストファー・ウォマック
エド・シェアマー

ジム・カヴィーゼル
ガイ・ピアース
ダグマーラ・ドミンスク
リチャード・ハリス
ルイス・ガスマン
ジェームズ・フレイン
ヘンリー・カヴィル
マイケル・ウィンコット
アレックス・ノートン

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