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トランスポーター

腕利きの「運び屋」として活躍するフランクのもとに、ある組織からの依頼が舞い込む。フランクは自らが定めた3つのシンプルなルール「秘密厳守」「名前は聞かない」「依頼品は開けない」を破ってしまい、それがきっかけで組織から命を狙われてしまう。フランクは成り行きで助けることとなったライの言葉を信じ、組織に立ち向かって「人身売買」という闇の取り引きの全貌を暴いていく…。

リュック・ベッソン(※1)が製作と脚本を担当していることもあって若干「TAXI」とかぶる印象もありますが、映画全体として捉えると、良い意味でベッソン製作映画っぽくないあか抜けた雰囲気を感じます。監督が2人いるという独自の環境や(※2)、リュック・ベッソンからの干渉はなく監督を信じて任せていたといったあたりにその要因があるのかも知れません。

トレーラーを最初に観た時は「BMW films」の「THE HIRE」シリーズが長編になったのか!? と思ったのですが、実際の内容は「THE HIRE + TAXI + ジャッキー・チェン / 3」といった感じになっています。カーチェイス中心のアクションは前半と後半に集約されており、中盤は主にカンフーアクション&銃撃戦が繰り広げられます。アクション中心の展開なので物語的には特に秀でた部分はないかも知れません。しかし、単純明快なだけあって非常にわかりやすく、素直に楽しめるハリウッド映画的な指向になっています。

高飛び込みで約10年世界で戦い続け、引退後はモデルへと転身し、その後ガイ・リッチー(※3)に見いだされてスクリーンデビューを飾るという、変わった経歴の持ち主でもあるジェイスン・ステイサムですが、想像以上にアクションにキレがあり、役者としての雰囲気もなかなかのものがあります。最近ではマーク・ウォルバーグ、シャリーズ・セロンとともに「ミニミニ大作戦(The Italian Job)」に出演しており、これからの活躍が期待されます。まさ今後注目の役者だと言えるので、今作は単なるリュック・ベッソンファンだけでなく、幅広い層に観て欲しい作品だと言えます。
(2003/12)

※1
1959年フランス、パリ生まれ。「最後の戦い」「サブウェイ」「グラン・ブルー」「レオン」「ニキータ」「フィフス・エレメント」「ジャンヌ・ダルク」など、数多くのヒット作を世に送り出す。本人は生涯で10本しか映画を撮らないと断言していることもあってか、最近では監督よりも製作や脚本家として活躍する場面が増えている
※2
ルイ・レテリエが演技とスタントシーンを担当し、コーリー・ユンが全ての格闘シーンを担当
※3
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」といった映画を監督し、またマドンナの旦那ということでも有名
本文:ボブ爺

製作:

脚本:

監督:

撮影:
編集:
美術:

出演:

リュック・ベッソン
スティーヴン・チャスマン
リュック・ベッソン
ロバート・マーク・ケイメン
ルイ・レテリエ
コーリー・ユン
ピエール・モレル
ニコラス・トレンバジヴィック
ユーグ・ティサンディエ

ジェイスン・ステイサム
スー・チー
フランソワ・ベルレアン
マット・シュルツ

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