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火山高

現代版魁男塾とでも言えそうなベタな格闘学園もので、まさにマンガの世界をCGとワイヤーアクションで無理矢理実写に仕上げたような作品です。

マトリックス、ドラゴンボール、小林サッカーなど、世にある様々なアクション要素を積み込めるだけ詰め込んだような盛りだくさんな内容なので、純粋にアクションシーンそのものとしては楽しめるかも知れませんが、どうもストーリー展開やカット割りのテンポが悪く(ストーリーそのものも理解しにくい)、その世界に引き込まれることはなくむしろ退屈な印象を受けることが多々ありました。肝心のワイヤーアクションにも多少ムラがあり(※1)、いかにも“とってつけたようなワイヤーアクション”というシーンが結構あったので、最新のデジタル技術だけでなく、もう少しアナログ要素にも力を入れて欲しかったところです(※2)。

全編に渡ってデジタル処理でカラコレされた独特の絵づくりは確かに印象的ですが、監督の解説とは裏腹に、妙に作られ仕立てられた感のある銀残し的、フラッシング的画風が延々続くので(奇麗すぎるのかも?)、若干あざとさの方が立っている印象を受けてしまいます。とは言え、このあたりはまだノウハウ不足と言える状態かも知れないので、今後の作品で徐々に改善され洗練されていく部分だと思います。

印象に残った点と言えば随所に挿入される音楽でしょうか。DAITA(※3)が手掛けたのは日本版だけのようなので、オリジナル版がどのような構成になっているのかはわかりませんが、戦闘が始まると必ずベース&ギターが印象的な独特のサウンドが鳴り響くので、サブリミナルのように脳裏に焼き付きます。好き嫌いはともかく、火山高の独特の世界を構築する重要な役割を担っていることは確かだと思います。

なぜか日本公開版はかなり手が加えられており、オリジナル版にはあったエピソードが丸ごと削除されている等、イマイチ理解し難い構成内容となっています。新たに編集されたことによってテンポが悪くなったのか、テンポが悪かったから再度編集されたのかは謎ですが、こういった“日本版”という構成自体を個人的には否定したくなります(ディレクターズ・カットなら許せるが…)。監督が造り上げた作品に対しこれだけ容易に多様性を持たせるとなると、オリジナルの完成度やアイデンティティが希薄であり、それを誤魔化すための手段として用いられたととらえられてもおかしくないと思うのですが…。
(2003/12)

※1
主役のチャン・ヒョクはワイヤーアクションが初めてだったので、そういう要素がハッキリ表に出ているということなのかも知れないが、それでもやっぱり微妙なシーンが多々…
※2
メイキングを見ればワイヤーアクションにも力が入ってることは一応わかるのですが…
※3
元SIAM SHADEのギタリスト
本文:ボブ爺

製作:
CGスーパーバイザー:
音楽監督(日本公開版):

出演:

キム・テギュン
チャン・ソンホ
DAITA

チャン・ヒョク
シン・ミナ
キム・スロ
クォン・サンウ
チョン・サンフン
コン・ヒョジン
キム・ヒョンジョン
ユン・ムンシク
ピョン・ヒボン
ホ・ジュノ

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