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60セカンズ

車の泥棒稼業は6年前に足を洗ったが、弟の命を守るために24時間で車を50台盗むという荒技に挑戦する主人公のメンフィス(ニコラス・ケイジ)。刻一刻と迫るタイムリミットにはたして間に合うのか!?

ジェリー・ブラッカイマーとニコラス・ケイジのタッグコンビ、さらにはソードフィッシュの監督ドミニク・セナがメガホンをとるということで(今作の60セカンズはソードフィッシュの前に監督した作品)、期待は大きく膨らみます。オリジナルは70年代中頃に公開された映画のようですが、今作は現代版なだけあって幅広いヴィンテージの名車が勢ぞろいといった感じです(あまり画面には映りませんが…)。まさに車好きな人達が集まってカーチェイス三昧の映画を撮ったという内容になっており、予告にあったような「車を盗むまで60秒」という緊迫した盗みは全くと言っていい程ありません。予告を観て期待していた人はかなりの確率で肩すかしを食らってしまう、なんとも「商業主義」を感じる映画だと言えます。

2000年公開の映画なのでそれほど古いわけではありませんが、なぜかCGIやカーチェイスシーンに一世代前のような微妙な古くささを感じてしまいます。メイキング映像を観ると、製作のジェリー・ブラッカイマーや監督のドミニク・セナが、シーンやキャストに対して様々な意図や手法を解説していましたが、実際にはその意図がまったく反映されていない映像に仕上がってるように感じます。映画製作は予算や時間等、多くの課題や問題が山積みになるのでそう簡単にうまく事が進むことは稀でしょうが、あの仕上がりで満足感を前面に出されても、逆に訴求力が低下するだけではないでしょうか?

いかにもアメリカという国柄を反映した「兄弟愛」がベースとなっているので、日本人としては素直に入り込めない部分が多々あるかも知れません。しかし、総じてハリウッド的でありがちなストーリー展開になっているので、根本的には物語を追って感情移入していくようなタイプの作品ではないと言えるでしょう。素直に豪華な車達が並ぶ映像と、現実ではあり得ないような展開で続くカーチェイスを楽しむべきだと思います。

ニコラス・ケイジ、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デュバルと、主軸だけでも豪華なキャスティングとなっており、脇を固める俳優達も個性的な人が揃っています。しかし、群像ものの割には結局ニコラス・ケイジが一人で持って行くような構成になっているので、ヒロイン役であるアンジェリーナ・ジョリーですらオマケ的に扱われほとんど出てきません。映画に華を持たせるためだけに無理矢理出演させるような構成はいかがなものでしょうか…。せっかくアンジェリーナ・ジョリーを起用しているのだから、もう少し大胆な役所を演じさせた方が面白かったと思うのは私だけでしょうか…。

例え車好きの人であっても過度の期待は厳禁ですが、総じて無難にまとまっているので、絶対的に失敗だと感じるような作品ではないと思います。まさに無難な時に無難な作品を観たい場合には丁度良いかも。ただし、ニコラス・ケイジは相変わらず良い味を出しているので、純粋に彼のファンなら十二分に楽しめると思います。
(2004/01)

本文:ボブ爺

製作:

監督:
脚本:
撮影:
音楽:

出演:

ジェリー・ブラッカイマー
マイク・ステンソン
ドミニク・セナ
スコット・ローゼンバーグ
ポール・キャメロン
トレバー・ラビン

ニコラス・ケイジ
アンジェリーナ・ジョリー
ロバート・デュバル
ジョバンニ・リビージ
デルロイ・リンド
ウィル・パットン
クリストファー・エクルストン
チー・マクブライド
T・J・クロス
ウィリアム・リー・スコット
スコット・カーン
ビニー・ジョーンズ
グレイス・ザブリスキー

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