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アイ・アム・サム

障害を持った父親が、はたして1人で娘を育てていけるのかどうかを問うた、社会性あるテーマが基調となった作品ですが、根幹的な部分をとらえた場合、シンプルかつダイレクトに「愛とは何か」を描いた作品だとも言えます。

まず驚かされたのが、障害を持った父親役を演じたショーン・ペンの圧倒的な演技力。どうもショーン・ペンというと、個人的には小悪党のようなイメージを持っていたりしたのですが、その先入観のおかげでより一層驚かされる結果となりました。ショーン・ペンの持つ存在感からか、多少の利口さが感じとれはしますが、演技とは思えない程役に入りきっている姿を見ると、事前にかなりの研究と役作りが行われていたのが露に理解出来ます。ふと思い出したのが、レインマンで同じように障害を持った役所を見事に演じきったダスティン・ホフマン。両者に通じる役者魂には頭が下がります。

子供の成長と共に生じる微妙な歪みや社会との接点、そして親子の間を引き裂こうとする一連の騒動の中、ミシェル・ファイファー演じる敏腕弁護士の内面にもメスが入り、知らず知らずの内にショーン・ペン演じるサムを中心として世界がまわり出します。物語が進むにつれ、主要人物は精神的に大きく成長していくのですが、それらを繋ぎ止めているのが“愛”の力だと言えます。様々な感情のうねりを一言で表現した言葉ではありますが、それそのものが持つ本来のパワーや重要性、そして暖かみや温もりの一端を社会的な側面からもうまく表現しています。作品全体としてのパッケージングや完成度そのものに訴求力があるというのは、まさにこの映画を生み出した多くのスタッフの努力と強い想い、そして何より“愛”という力が支えているからだと言えるでしょう。

ティーザーやCMを事前に見ると、印象として「泣ける映画」「感動する映画」といった印象を持ってしまいますが、実際にはそういう路線の映画ではありません。個人的にはピュアなラブコメディといった印象を持っており、娯楽面を考えた場合でも素直に楽しめる作品に仕上がっていると思います。最近は妙に宣伝が先行し過ぎる作品が増えていますが、この作品については余計な先入観を持たずに(笑)、素直かつ自然に向かい合うような姿勢で観て欲しいところです。

直接ストーリーとは関係ありませんが、どうも子役のダコタ・ファニングが安達祐実に見えて仕方が無いんですよね…。ダコタ・ファニング自体も祖母(だったと思う)が障害を持った方であり、そういう環境で育ってきた絶対的な経験そのものが、この作品をうまく作り上げる上での支えになっている事は確かです。あの妙に安定感のあるしっかりした演技はなかなか出来ないですよね。そういう子役としての演技をみても、やはり安達祐実(の幼い頃)とかぶります…(笑)
(2004/01)

本文:ボブ爺

監督・製作・脚本:
製作:


製作総指揮:
共同脚本:
撮影:
美術:
衣装:
編集:
音楽:

出演:

ジェシー・ネルソン
エドワード・ズヴィック
マーシャル・ハースコヴィッツ
リチャード・ソロモン
デヴィッド・スコット・ルビン
クリスティン・ジョンソン
エリオット・デイヴィス
アーロン・オズボーン
スージー・デサント
リチャード・チュウ、A.C.E.
ジョン・パウエル

ショーン・ペン
ミシェル・ファイファー
ダコタ・ファニング
ダイアン・ウィースト
ダグ・ハッチソン
スタンリー・デサンティス
ブラッド・アラン・シルヴァーマン
ジョセフ・ローゼンバーグ
リチャード・シフ
ローラ・ダーン
ロレッタ・ディヴァイン

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